服飾文化専攻では、「服飾講座」を配信します。(全8回、5月~7月予定)
専攻の教育・研究に関する生活・服飾、教育等、様々な知識をシリーズでお伝えします。
服飾講座⑥ 消費生活論 「大人に求められる消費者力」
第6回目は、消費生活研究室の水谷が担当します。
2022年4月から,成年年齢が18歳に引き下げられました。それは,大人として「合理的かつ適切な意思決定するための消費者力」がますます重要になることを意味します。
〔表〕あなたは,成年年齢に達していますか?
生年月日 |
新成人となる日 |
成年年齢 |
---|---|---|
2002年4月1日以前生まれ |
20歳の誕生日
|
20歳
|
2002年4月2日から2003年4月1日生まれ |
2022年4月1日 |
19歳
|
2003年4月2日から2004年4月1日生まれ |
2022年4月1日 |
18歳
|
2004年4月2日以降生まれ |
18歳の誕生日
|
18歳
|
基準日:2022年4月1日現在
しかし実際には,成人年齢に達しても,高校や専門学校,大学などに在学中のため「大人」という実感がわかないことも多いと思います。
なお,上記の成年年齢(18歳以上)に達しても,飲酒や喫煙,競馬・競輪などの公営競技の年齢制限は,20歳ですので,くれぐれもご注意ください。
それでは,未成年とは何が変わるのでしょうか?
民法上の成年年齢には「親の同意(承諾)を得なくても,自分の意思に基づき,様々な契約ができるようになる」という意味があります。
それは「契約を結ぶための決定権があるのなら,その契約に対しての全責任を負うことにもなる」ということを自覚しなければなりません。
具体的には,高額な商品・サービスの売買契約や住宅の賃貸契約,そしてクレジット契約などがあります。クレジット契約とは「消費者が商品・サービスを購入するとき,信販(クレジット)会社などに代金の支払いを立て替えてもらいます。その後,消費者はクレジット会社からの請求額により,一括もしくは分割払いをする」という契約形態をいいます。
私たちの暮らしには,様々な契約が存在します。これらの知識がないまま,安易に契約を交わしてしまうとトラブルに巻き込まれてしまいます。
とりわけ,成年年齢に達したばかりの若者を標的にした悪質業者が多いので,注意しましょう。
このような消費者トラブルに遭わないため,契約に関する知識をよく理解し,適切な判断をするためにも「消費者力」を身につけておくことが重要になります。
「消費生活論」では,マーケティングや家政学など,学際的な知見から,安心・安全な消費生活の実現をめざし,これらの課題解決(消費者力の向上)について学びます。
万一,消費者トラブルに巻き込まれたり,困ったことが起きてしまった場合には,一人で悩まず,全国共通の「消費者ホットライン188」に連絡し,相談することをおすすめします。
なお「消費者ホットライン188」では,消費生活全般に関する苦情や問合せなどに関して,専門の相談員が,公正な立場で対応しています。
今回の講座を通じて,少しでも「消費者力」に興味や関心をもってもらえたら嬉しいです。
服飾文化専攻 水谷 浩
【参考資料】
『消費者ホットラン』188のチラシ(消費者庁)